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背番号「18」を託された若きエース候補 中日 鈴木翔太は怪我を乗り越え復活のマウンドへ

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鈴木翔太

静岡県 聖隷クリストファー高では1年夏からベンチ入りし、2年夏にはエースとしてチームを県大会ベスト4へと導きます。

しかし、3年夏の静岡大会では力投するもベスト8に留まり、同校初の甲子園出場は叶いませんでした。

高校2年生からプロのスカウトから注目を浴び、最速143kmながら肘を柔らかく使ったバランスの良い投球フォームが高く評価され、将来性を買われて2013年ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団しました。

2015年シーズン、1軍は2試合の出場に留まり、2軍では12試合登板するも1勝6敗と振るわない成績に終わりました。背番号「18」という大きい期待を背負い、背水の陣でプロ3年目に臨んでいます。

 

❑エースを突如襲った右肘の怪我

 

高校2年の夏、エースとしてチームを牽引するも、準決勝で常葉橘高に延長14回の末サヨナラ負けを喫してしまいました。

しかし、結果としては4完投(44、2/3回)でわずか3失点と圧倒的な成績を残し、プロの目を釘付けにするほどの投球を披露したのです。

そんな“絶対的エース”として君臨していた鈴木投手ですが、3年生になる直前に「野球人生の岐路」に立たされることになります。

その原因となるのが、突如襲った「右肘の故障」です。柔らかい肘を存分に活かしたフォームだからこそ、逆に右肘へと負担が集中してしまったのです。

それから投げたくても投げられない状況に陥り、不安と葛藤に押し潰されそうな日々を送ります。高校生最後の夏に向けての大事な時期とあって、受け入れがたい事態となりました。そんな中でも4月の県大会で2試合登板しますが、無理がたたってか、5月に入ってから再び投球することができなくなりました。

怪我をして登板が減ることで、各球団のスカウト陣からの評価も徐々に下落していきました。プロを目指していた彼にとって、この投げられない期間はプロへの道を諦め、大学進学への決断を下してしまうには十分過ぎる時間となってしまったのです。

 

❑どん底から這い上がり、精神的にもタフネスな右腕へ

 

一度プロへの道を諦めた鈴木投手ですが、ある選手からの一言が夢を目指す気持ちを再び奮い起こさせてくれました。その選手とは、2年生で出場していた夏の県大会、その4回戦で対戦し、聖隷クリストファー高に敗れた当時静岡高校3年生の中澤彰太選手です。

早稲田大学に進学していた彼は、懸命にリハビリに徹しているかつてのライバルに、「お前は、大学よりもプロへ行った方が成長できる」といった助言を送りました。鈴木投手の投球に抑えられ、最後の夏を終えた選手からの言葉だからこそ、大学進学へ傾いていた気持ちを再びプロへと突き動かしたのです。

リハビリの甲斐があってか、5月下旬には右肘の痛みも解消し、6月には万全な状態へと回復することができました。夏の大会にも間に合い、気持ち新たに復活のマウンドへと登ります。

最後の夏は県大会ベスト8に終わったものの、4回戦では10回を投げ切るなど力投を見せ、3完投(28回)で37奪三振と、復帰直後とは思えない快投を演じてみせました。

どん底から這い上がり、野球選手としても人間としても成長し、元々あった投手としての力に加えて精神的にもタフネスな右腕へとワンランクステージを上げたのです。

 

❑プロで待ち受けていた多くの試練

 

3年夏の復帰登板から再びプロからの評価を高め、日本だけでなく、アメリカからも注目されるようになりました。しなやかでバランスの良いフォームに加え、最速143kmという球速以上に感じるスピンのかかった伸びのあるストレート。更にはあまり崩れることのない制球力もあり、総合的にもエースの素材だと日米15球団のスカウト陣を唸らせました。

そして、2013年プロ野球ドラフト会議、高卒№1投手と騒がれた松井祐樹のハズレ1位で中日ドラゴンズへの入団が決定しました。背番号は「18」。紛れもなく将来のエース候補としての期待が表れています。

鳴り物入りで入団しましたが、やはりプロの世界はそう甘いものではありませんでした。初めに課題として指摘されたのが「スタミナ不足」。高校時代にあれだけ完投していたとはいえ、長距離走のタイムを見ただけで走り込み不足を露呈してしまいました。

2年目にはファームの開幕戦を任せられるも、試合中に打球が左膝へ直撃し、結果左膝の亀裂骨折でシーズン前半の離脱を余儀なくされました。周りの期待とは裏腹に、思うような成績を残せなかった2年間。怪我や課題と向き合いながら、将来の大エースを目指して試行錯誤の日々を送っているのです。

 

❑勝負の3年目シーズン、エースナンバー「18」の証明へ

 

2016年でプロ3年目を迎えました。まだまだ若いとは言っても、昨年のドラフト1位で入団した小笠原慎之介投手のような将来のエース候補が毎年のようにチームに加わってきます。

そんな多少なりとも焦りを覚えてくるなかでも、開幕前の沖縄キャンプでは、約2,300球をブルペンで投げ込み、しっかりとフォームを固めながら必死にアピールする姿がそこにはありました。

投手としての素材は一級品。あとは、長いイニングを投げられるスタミナ、怪我をしない丈夫な体を作り、経験を積み重ねることが大事になってきます。

そこにタフな精神力が加われば、ナゴヤドームのマウンドでエースナンバー「18」の力を証明する日も近いでしょう。

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