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育成から再び甲子園のマウンドへ!阪神 田面巧二郎が崖っぷちから掴んだ背番号97への誓い

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群馬 桐生市商業高校時代は1年秋から大事な試合を任されるようになり、2年春には県大会ベスト4へとチームを導きます。同年秋の大会では、創部54年目にして初優勝を飾るという快挙を成し遂げました。

3年の春夏ともに県大会ベスト4へとコマを進めますが、それ以上の成績は残せず、甲子園のマウンドへ立つことは叶いませんでした。高校卒業後は社会人野球の日産自動車に入社しますが、1年目で休部が決定し、翌年からJFE東日本へと移行することになります。

社会人4年目には都市対抗に3試合で登板し、最速150kmの直球を武器にチームを大会4強へ進出させる原動力となりました。力強い真っ直ぐとキレのあるスライダーが評価され、2012年のドラフト3位で阪神に入団。高校時代に立てなかった甲子園のマウンドをプロとして目指すことになります。

 

➊子供の頃から“速球派”として新聞を賑わす

小学生時代に地元の大間々東小リトルジャイアンツで野球を始めた田面投手は、年間約500打席に立って三振わずかに4つと既に才能の片鱗をのぞかせていました。ただ、打力だけではなく、投手としても“速球派”として新聞の記事に取り上げられ、小学生のうちから周囲からの注目度は高かったのです。

その力は高校に入ってから更に評価を上げていきます。群馬の桐生市商業に入学し、1年の秋から主戦を務めるまでの信頼を得ると、2年春の県大会で19回連続無失点を記録するなど絶対的エースとしてチームをベスト4へと導きました。

最速145km右腕としてプロからの注目も高くなってくると、3年春の大会では2年秋に起こした肉離れの影響で出遅れながらも、前橋工戦で完投勝利を収めるなどエースの意地を見せ、2年連続の県大会ベスト4へとチームを牽引。最後の夏も4強まで進みますが、準決勝で延長13回の末サヨナラ負けを喫し、念願の甲子園出場はなりませんでした。

 

➋都市対抗で躍動し、一気にドラフト候補へ

高校卒業後は、社会人野球の名門である日産自動車へ進みますが、同社は経済・金融危機を受けて硬式野球部は休部が決定。社会人1年目から唐突な災難に巻き込まれてしまいます。翌年、野球ができる環境を追い求めてJFE東日本へと移籍すると、すぐさま公式戦で起用されるまでになりました。

2、3年目は目立った活躍をできずにいたものの、4年目にして大幅に登板機会が増えていきます。春のスポニチ大会のNTT東日本戦で先発すると、5回途中4失点と制球に苦しむ場面が多くありましたが、最速150kmの真っ直ぐで5者連続三振を奪うという快投を披露。空振りを取れる力を見せつけ、“速球派”としての潜在能力を監督の目に刻み付けました。

それから都市対抗でも先発から中継ぎと様々なポジションで起用され、11回11奪三振2失点と好救援。特に準決勝のJR東日本戦、2回1死満塁で2者連続三振に打ち取った場面では、ピンチでの強さを見せつけ、中継ぎで後ろを任せられるとプロのスカウトを唸らせたのです。この活躍から、同年のドラフトで阪神から3巡目で名前を呼ばれ、見事にプロ入りを果たしました。

 

➌わずか2年で育成契約、そして始まったシンデレラストーリー

プロ1年目は、春先から育成選手中心の試合等で13試合に登板すると、四死球20とJFE東日本時代から露呈していた制球難という課題に衝突し、夏場は実戦から離れて練習することになります。復帰登板でコントロールを取り戻すと、その後ウエスタン・リーグで8試合に登板して1勝0敗、防御率2.79と安定した成績を残しました。

しかし、2年目はウエスタン・リーグで6試合の登板に留まり、防御率8.44と結果を残せないままシーズンを終えてしまいます。2年間で1軍登板なしに終わった田面投手は、シーズンオフに球団から自由契約を通達され、育成選手として契約を交わすことになってしまいました。

再び支配下を目指して迎えた3年目。シーズンの前半は、球団からBCリーグの福井ミラクルエレファンツへ派遣され、Jリーグでいうレンタル移籍のような形で実戦経験を積むことになりました。福井では19試合、シーズン後半はウエスタン・リーグで9試合に登板。来年も育成選手として再契約した田面投手は、翌年での支配下復帰を決意します。

プロ4年目で迎えた4月、球団から嬉しい発表が飛び込みました。

「田面巧二郎投手を支配下登録する」

再び2桁の背番号「97」に袖を通した瞬間、喜びを表すより先に身を引き締め、もうこのユニホームを脱がないと強く誓いました。阪神の金本知憲新監督は、制球力を上げれば中継ぎの勝ちパターンとして通用すると、その力強い真っすぐを高評価。

そして、その時はやってきます。5月に1軍へ昇格すると、19日の中日戦でプロ初登板を果たしました。同点で迎えた8回表、共に育成で汗を流した原口文二選手とのバッテリーで見事無失点に抑え、その後のサヨナラ勝ちへと導いたのです。

まさに“シンデレラストーリー”。ほぼ無名の投手が、この大事な場面で活躍し、甲子園の大観衆の心にその名を刻んだのです。これから更に結果を残し、金本監督の心も掴めば、阪神の勝利の方程式としてその速球を球場に轟かせるでしょう。

 

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