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嫁と娘のために…!西武 南川忠亮は多彩な球種とMAX150kmの速球で家族を養う

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香川 高松工芸高入学時にもともと捕手だったポジションを投手に転向し、同年秋にベンチ入りを果たします。2年夏の甲子園予選で中継ぎとして2試合登板。その大会直後からエースに任命され、3年夏には香川大会ベスト4へとチームを牽引しました。

高校卒業後はJR四国へ入社し、2年目に公式戦初出場。翌年から主格として日本選手権を投げぬき、大会予選MVPを獲得します。4年目の都市対抗予選ではノーヒット・ノーランを達成するなど活躍を見せ、同大会の敢闘賞を受賞。

6年目には自己最速150kmを計測してスカウトから注目を浴びると、2015年のドラフト会議で埼玉西武ライオンズから5巡目で指名され、念願のプロ野球選手となりました。同年に既婚し、子供も誕生していたため、「子連れルーキー」として話題にもなりました。

➊高卒3年目から投手として覚醒

高松工芸校でチームのエースとして夏の甲子園予選で県4強まで導き、5試合4完投と最後まで腕を振り続けた南川投手。目標にしていた聖地の土を踏むことはできませんでしたが、社会人野球での活躍を胸に誓いました。

そして、JR四国に就職して2年目から試合に出場し始めると、3年目から徐々に登板機会が増え始め、日本選手権出場時にはエース格としての地位を確立しました。予選の四国銀行戦で初完封勝利を挙げるなど、自身3勝をマークして大会MVPに輝きます。

翌年の日本選手権・四国予選のアークバリア戦では14の三振を奪い、自身初のノーヒット・ノーランを達成するなど、敢闘賞を受賞する活躍で大会本戦へとチームを牽引しました。出場する各大会でいずれも賞をもらうまでの投球を披露し、エース投手としてグングン力を伸ばしていったのです。

 

➋順調な野球人生をスカウトの視線が右腕のフォームを乱す

5年目に入っても進撃を緩めない南川投手は、同年の日本選手権・四国予選でも再びMVPを獲得。大会本戦の2回戦で結果チームは敗退しますが、延長11回2/3を投げぬいて自責点0と完璧に抑える好投。

その試合で披露した切れ味鋭いスライダーがスカウトの目に留まり、徐々にドラフトへの道が開けるようになります。社会人6年目に入り、春に行われた練習試合で自己最速の150kmを計測して一気にプロへの道が現実味を帯びてきたのです。

しかし、それから毎日のように試合時や練習場にスカウト陣が訪れるようになると、周りから注がれる視線に意識が奪われ、力みによる体の開きでフォームが崩れていってしまいたした。夏の都市対抗初戦では、自己最短2回途中でKO。自然とスカウト陣の姿が消えていってしまったのです。

 

➌結婚、子供の誕生=プロ野球への“ラストチャンス”

2015年に看護師の女性と結婚した南川投手。同年9月には第一子も誕生しました。夏の都市対抗を迎えた時には、既に子供が生まれることも分かっていたので、プロ入りへ向けては「この大会が最後」と決断していました。

結果的に好成績は残せず、ほとんど諦めかけていた右腕は、ドラフトで呼ばれなければ野球に区切りを付けて車掌試験を受けつもりでいたのです。人生の岐路に立たされていた南川投手ですが、家族を養うために相棒であるグローブをマウンドに置く覚悟を決めていました。

そんななか始まった2015年ドラフト会議。この2〜3時間で全てが決まります。わずかな希望を胸に自分の名前がコールされるのをじっと待ち続けました。そして、西武から5位指名で「南川忠亮」の名が挙がったのです。初めは不安で押し潰されそうな数カ月でしたが、結果的に「嫁、娘、プロのユニホーム」という最高の幸福を手に入れた数カ月となりました。

 

➍即戦力としてライオンズへの恩を返す

最後の都市対抗では結果を残せなかったものの、最速150kmのストレートと鋭いスライダー、チェンジアップ、スプリットといずれもレベルの高い多彩な変化球が評価され、中継ぎの即戦力として西武の渡辺スカウトは大きな期待を寄せていました。

野球自体を止めようとしていた南川投手にとって、その「即戦力」としての評価はとてつもなく嬉しいものでした。しかし、その感激で高揚した気持ちと同様に、プロで通用するのかという不安も付きまといます。そんな旦那に対し、「今から考えても仕方ない。何かあれば自分が家族を養う」と、励ましの言葉をかけると、大黒柱の心は吹っ切れました。

2016年シーズンが開幕し、4月26日のロッテ戦でプロ初登板を果たすと、1回を三者凡退で打ち取る完璧なデビューを飾りました。その後、5月まで計4試合に中継ぎで出場して防御率2.25。更なる登板で文字通り「即戦力」としての結果を残すために必死で毎日を過ごしています。

プロへの門をくぐらせてくれた西武への恩返しと、自宅で見守ってくれている家族を養うために南川の新たな挑戦は始まったばかりです。

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