ソフトバンクホークス 2012年ドラフト1位 教員免許も持つ文武両道な東浜巨は『練習嫌い?』

沖縄尚学高校では1年時からベンチ入りし、3年春の選抜甲子園大会ではチームを9年ぶりの全国制覇へと導きました。
ドラフト1位候補として高い評価を受けていたものの、プロ志望届を提出せず亜細亜大学へ進学します。
大学でも1年時から登板機会を得て、東都史上初のデビュー以来3戦連続完封勝利をあげるなど最多完封のリーグ記録(15完封)を33年ぶりに大幅更新(通算22完封)、「東都のミスターゼロ」とも呼ばれました。
2012年のドラフト会議において1位指名3球団競合の末、ホークスに入団します。
1.プロらしくない文武両道
東浜選手には大学進学以前より、プロ野球選手と共に教員免許の取得という目標がありました。
数ある誘いの中から、早稲田や慶応ではなく、亜細亜大学を選んだのも、生田勉監督が東浜選手の両親に言った「一人前の男に育て、勉強させて卒業させます。教員免許も取らせて就職の面倒も見ます。」という言葉が胸に響いたからでした。
野球であれだけの成績を残しながら教職課程をこなし、ドラフト後には母校・沖縄尚学高校で教育実習を行い、目標であった高校社会科の教員免許を取得する―まさに「文武両道」を地で行くこととなりました。
引退後には地元沖縄に戻り、子供たちを相手に勉強と野球を教えるのが夢だそうです。
2.「練習していません」
選手全員が書いている野球ノートに下級生が「東浜さんは練習していません」と書いたことがあるそうです。
大学時代の成績を見れば、練習してないはずがないのですが、東浜選手は教職課程を選択していたため、必要単位数が他の野球部員より多く、事実、試験前にはグラウンドに姿を現さないこともありました。
限られた時間の中で練習メニューの構成や取り組み方に工夫を凝らし、さらに必要とあらば、絶対的な上下関係が存在する中、上級生にも練習に対する自分の意見を主張する東浜選手の姿が、野球一筋である他の野球部員には異質に映ったのかもしれません。
3.勝負の3年目、今年こそ本領発揮!
東浜投手は多くのプロ野球関係者から「1年目から2桁勝利を挙げる」と期待されていました。
しかし、初完投を無四球完封勝利で飾るなどその片鱗は見せましたが、決して満足のいく結果を挙げることは出来ませんでした。2年目も、本来の東浜投手の姿ではなく、期待を裏切る形になってしまいました。
2015年のキャンプでは、チームの監督交代や派手な補強もあり、東浜選手の名前を聞く機会がめっきりと減ってしまいました。
ただ、アマ時代の輝かしい実績を考えれば、今年の3年目こそは「東都のミスターゼロ」と言われた本領を発揮し、今までの仮を返す活躍をしても、何ら不思議も驚きもありません、それだけのポテンシャルを持った投手なのです。
勝負の3年目、力づくで再び脚光を浴びる活躍をして、チームとって名前の通り「巨」大な存在になることを期待しています。