2016年ドラフト最大の衝撃!阪神1位 大山悠輔は大学代表四番から虎の四番へ(白鷗大出:背番号未定)

「阪神タイガース第一回選択希望選手」
「・・・」
「大山悠輔」
2016年10月20日、阪神タイガースのドラフト1位指名アナウンスと同時にドラフト会議が行われたグランドプリンスホテル新高輪の会場にどよめきが起こり、異様な空気に包まれた。
このどよめきの理由は大きく分けて2つあり、
1.阪神の大方の予想は桜美林大の佐々木千隼投手であり、即戦力の大学・社会人出身のピッチャーを指名すると考えられていた
2.大山悠輔選手はスポーツ新聞や野球専門誌ではドラフト1位候補に入っている選手ではなかった
今年の日米野球で大学ジャパンの四番に全試合スタメン出場した実力者であり、所属する大学リーグのホームラン記録を更新するなど今年一気にドラフト候補に駆け上がり、人気球団である阪神タイガースからの単独1位指名となった大山悠輔選手とは一体どのような選手なのか?
➊基本データ・球歴・アマ実績
ポジション:内野手(右投右打/181cm 85kg)
球歴:つくば秀英高校→白鷗大学→阪神(ドラフト1位)
生年月日:1994.12.19
出身地:茨城県
高校時代は甲子園へ出場することなく無名の存在で大学へ進学し、一躍脚光を浴びたのは今年のことでした。
関甲新学生リーグで新記録となる8本塁打を放ち、打点はリーグタイの20、打率417と文句の付けようがない成績で2冠王に輝き、大学ジャパンの四番を務めるまでに急成長したプロでも希少な「右のスラッガー」。
西武にドラフト2位で指名された高校時代からの同僚であり、同じ白鷗大のエース中塚駿太投手からは雑誌のインタビューで「天性の長距離打者で、自分が今まで見てきたなかでナンバーワンのバッター、同じチームでとても心強い」と全国クラスの同僚からも高い評価受けていました。
➋ドラフト前の評価は?
スポーツ新聞、専門誌では決して高い評価ではありませんでした。
理由として、大型選手にありがちな守備面や走塁面の不安や育成に時間がかかることなどが挙げられ、各誌が指名順位の期待値を示す最高評価であるAランクではなく、良くても2位~3位のBランクや4位以下のCランクといったところが大方の評価でした。
大山選手は指名候補選手の紹介でも大きく取り上げられることや特集されることはなく、野手として常にドラフト上位候補として注目されていた同じ大学出身となる巨人ドラフト1位の吉川尚輝選手(中京大学院)、中日ドラフト2位京田陽太選手(日大)に今年のドラフトで一気に知名度・人気でも肩を並べる結果となりました。
➌ドラフト指名時の様子や声
まずは大山選手の指名時の声です、
「びっくりしている」
「高いレベルで早く活躍できるように精一杯やりたい」
「若手の選手がすごく多く出ている。気持ちも引き締まりますし、もっと練習してその中に入っていければいい」
「ヤクルトの山田選手は打席に入っただけで雰囲気が変わる。そういう存在感のある選手になりたい」
予想外の1位指名に喜びよりも驚きを隠せない様子でしたが初々しくコメントしていました。
一方で指名した金本監督は、
「チーム状況を見て、若手のホープで投手と野手の差を検討し、弱点は野手ということで」と指名の背景を説明。
「大砲候補。打撃がしなやかで強く、タイプとしてヤクルトの山田に似ている」と絶賛し、「一年目から甲子園で暴れて欲しい」、「タイガースの歴史に残る四番になって欲しい」と即戦力そして未来の四番として期待している気持ちを語った。
➍プロ入り後のライバルは?
大山選手が期待されているポジションはサードです。
阪神のサードは2016年シーズンは外国人のヘイグが期待外れに終わり、期待の若手スラッガー候補である陽川尚将選手も金本監督の起用に応えられず結果的に守備が上手い選手や相手投手との相性で固定できることができていません。
この状況は大山選手にとって大きなチャンスであり、チームとしても1年目からこのホットコーナーを任せて育てることを考えているのではないでしょうか?
ただ、阪神は人気球団故に成長と勝利を同時に求められます。多くのチャンスを与えられる1年目である程度の成績が求められ、虎の四番を背負える大きな可能性を示せるかが重要となります。
➎「未来予想図」
こんな選手になれる!
ズバリ!元近鉄、中日他の『中村紀洋!!』です。
阪神の「四番・サード」の代名詞である掛布二軍監督で良いのでは?と思われますが、大山選手は右打ちですのでより未来像をイメージしやすくすると通算404本塁打、2000本安打を達成したフルスイングが持ち味のバッティングとゴールデングローブ賞を何度も受賞した華麗な守備も兼ね備えた中村紀洋選手が将来の成長した姿としてしっくりとくるように思います。
魅力である豪快なバッティングを武器に守備・走塁面をプロの世界でさらに鍛えて、かつてのミスタータイガースの象徴であった「四番・サード」で華やかな選手になれることを阪神ファンは早くも期待していることでしょう。