広島カープ 『負けず嫌い』なエース前田健太が、投球フォームとリズムにこだわる理由

中学時代はボーイズリーグで西日本大会優勝、日本選抜として世界大会に出場し、MVPを獲得する活躍で優勝に大きく貢献します。
PL学園に進学後には1年夏と3年春の2度甲子園に出場、落差の大きいカーブを駆使した投球や1年時から主力投手として活躍などPL学園の大先輩である桑田真澄氏(元読売)との共通点が多いことから「桑田二世」と称されました。
2006年の高校生ドラフトでカープより1巡目指名を受け入団、2年目の後半からローテーションに定着して以降、2014年終了までに最多賞1回、最優秀防御率3回、最多奪三振2回、沢村賞1回、ノーヒットノーラン1回などその他にも多数のタイトルを獲得しています。
1.「マエケン」ならぬ「マケヘン」
勝負となれば、たとえゲームであろうと負けるのが嫌どころか、負けるのが許せないほどの負けず嫌いなのです。
TV番組の企画で参加したゲームにおいて、相手にハンデが付いていたとはいえ、負けた上に土下座をさせられた姿を見たファンの間では「マエケンが本気でキレそうだった」と話題になりました。
入団時の会見で「同級生全員に負けたくない」と言ったり、カープのトレーナーに「マエケンよりマケヘンの方が合っている」と言われたり、さらには自らのブログのタイトルに「絶対負けん」と入っていたりと筋金入りの負けず嫌いと言っていいでしょう。
2.「フォーム固めって何?」
シーズン中はおろかキャンプにおいても、前田選手は投げ込みをほとんどしません。
キャンプのブルペンでは肩慣らし程度、シーズン中も試合前にブルペンに入る以外は基本キャッチボール程度しかしないそうです。
普通の投手であれば、1週間も投球練習をしないとフォームが崩れるので、キャンプにおいて何百球と投げ込むことで肩を作り投球フォームを固めるものだが、前田選手は「今までに何万球と投げてきて肩もフォームも出来ている」、「フォームを変えたりしていないのにフォームを固める意味が分からない」と投げ込みをしない理由を語っています。
これまでに行ってきた練習の量と質が誰にも負けていないという自負の表れなのかもしれません。
3.約30個の「リズム」の深い理由
前田選手と言えば、『マエケン体操』と呼ばれる試合前のウォーミングアップやマウンドで胸に手を当てて祈る仕草などが有名ですが、前日から試合開始までの間にこれらを含めて約30個にも及ぶ決まり事があります。
食事メニューから起床や球場入りの時間、着衣、果ては掃除やブログチェックなどの行動に至るまで毎回同じにすることで自分の身体へ合図を送り、リズムを作るのだそうです。
調子の善し悪しは、自分ではコントロール出来ないので、行動をコントロールすることでリズムを作り出しピッチングに繋げるのだとか・・・
しかし、これらを覚えておかないといけない奥様の大変さは計り知れません。
~優勝と圧倒的な個人成績、
そして再びメジャー挑戦~
2014年は怪我の影響が有りながらも2桁勝利を挙げましたが、前田投手にとっては満足できる成績とは言えませんでした。
また、クライマックスシリーズ第1ステージで、自らが敗戦投手となったことがチームの敗退を決定付けてしまいました。
2015年のカープはメジャーから黒田博樹選手が復帰したことで、カープファンが「優勝」を口するのが逆に怖いぐらいに戦力が充実しています。
気の早い話ではありますが、2016年はカープ24年ぶりの優勝を置き土産にして、一度封印した夢に改めてチャレンジする前田選手の姿が見られるかもしれません。
2015年シーズンは、カープファンにとって優勝の期待が大きく膨らみますが、優勝した場合マエケンのメジャー移籍の可能性も膨らむ、何とも複雑で悩ましいシーズンになりそうです。