千葉ロッテマリーンズ 本塁打0の守備職人 岡田幸文は類い稀な幸せ者

栃木・作新学院高校時代は、主将・一番打者として通算6割を超える成績を残し、春季県大会でチームを優勝に導きましたが、甲子園の土を踏むことは叶いませんでした。
日本大学に進学した直後に左肘の怪我により手術を受け、全治1年以上と診断されたためわずか数ヶ月で大学を中退してしまいました。
怪我が完治した2004年から全足利クラブでプレーし、数々の怪我に悩まされながらも、全日本クラブ野球選手権での優勝に貢献するなど主将・一番打者としてチームを引っ張りました。
1.理解ある妻、そして支援者たち
岡田選手にとって一番の支援者はなんと言っても、今でも足利市役所に勤める公務員で、11歳年上の奥様であります。
姉さん女房らしく、岡田選手を叱咤激励する姿が度々TVで紹介されたり、その語録がネット上でまとめられていたりして、奥様の人柄と二人の仲睦まじい姿を伺い知ることが出来ます。
また、クラブチーム時代に嘱託社員として所属していた足利ガスではプロ入りの際、「席を空けておくから、ダメなら戻って来い」と後押しを受け、プロ入り後には足利ガスの社内に後援会を発足させるなど、会社を挙げて岡田選手を支援しています。
たくさんの人に支えられているということは、岡田選手が幸せ者であるのはもちろん、岡田選手が人に支えてあげたいと思わせるものを持っていることの証だと思います。
2.『生涯1本塁打』は大きな勲章
岡田選手は2009年に育成選手としてマリーンズに入団以来、公式戦において1本も本塁打を打っておらず、初打席からの連続打席無本塁打(2014年終了時点で1882打席)の日本記録を更新中なのです。
高校時代も公式戦は打ったことがなく、クラブチーム時代に1本打ったことあるだけという、プロ野球では珍しい選手です。
一方守備においては、シーズン連続守備機会無失策のパ・リーグ記録を樹立するなど2度のゴールデングラブ賞に輝き、リーグを代表する「守備の人」となっています。
連続無本塁打に連続無失策、岡田選手はゼロという数字に縁があるのでしょうか。
3.新選手会長として、再出発する2015年
ここ2年は徐々に出場機会が減ってきており、2015年シーズンもレギュラーを確約される立場にはありません。
しかし、新たに選手会長に就任し、自主トレからマスコットバットを振り込むなど打撃強化に取り組んでおり、「守備の人」を返上して打撃でもチームを引っ張る存在になろうとしています。
2015年はガッツポーズをしながらゆっくりとベースを1周する岡田選手の姿が見られるかもしれません。
でも、岡田選手ならホームランを打っても全力疾走でベース1周しそうですけど・・・