日本ハムファイターズ12番目のドラフト1位渡邉諒は東大生の兄に負けじと正遊撃手に名乗り

2学年上の高橋周平選手(現・中日)に憧れて山梨 東海大学甲府高校に入学、1年春からベンチ入りし、夏には高橋選手を押しのけて4番を任されました。
2年夏には甲子園に出場し、本塁打を放つなどベスト4進出に大きく貢献しましたが、3年時は自身の不調もあり甲子園に戻ってくることは出来ませんでした。
2013年のドラフトでファイターズから、三度抽選失敗の後、1位指名を受けて入団、5月に右踵腓靱帯を損傷し、復帰直後の8月には鼻骨を骨折するなど再三怪我に見舞われたものの最終盤には1軍初出場を果たしました。
外れの外れの外れでも…
ドラフトにおいて、松井裕樹選手(現・楽天)・柿田裕太選手(現・DeNA)・岩貞祐太選手(現・阪神)の抽選に敗れたファイターズが12球団の最後に指名したのが渡邉選手でした。
しかし、当の本人は高橋選手を引き合いに出して「3球団競合も最後の指名も1位には変わらない」と意に介していませんでした。
また、渡邉選手より先に指名された11名の内10名が投手で1名は捕手で、内外野手としては大学・社会人を含めて最高の評価を受けており、逆にここまで渡邉選手が残っていたことがファイターズにとっては幸運であったと言えるかもしれません。
兄はなんと東大生!
渡邉選手には東京大学工学部に通い、次世代自動車や建築物などの新しい素材を研究し、卒業後には大学院進学を予定している4歳上のお兄さんがいます。
中学2年までは野球部に所属していましたが、自分はスポーツに向いていないと感じ、「塾に通いたい」と自ら申し出て、その後は野球漬けの弟とは対照的に、クラブに入ることなく勉強に没頭したそうです。
東大生とプロ野球選手のどちらか一人を育てるだけでも大変なのに、それを二人同時に育てたご両親は育児本を出せば大ベストセラー間違いなしではないでしょうか?
正遊撃手へのチャンス到来
長年正遊撃手であった金子誠選手が引退、金子選手の後継であった大引啓次選手もFAでスワローズへと移籍し、有力なレギュラー候補が不在となってしまいました。
正遊撃手の本命には実績と安定感で優る中島卓也選手が居て、渡邉選手が即レギュラーとなるのは難しいと思いますが、キャンプは1軍スタートとなり実戦練習では結果も残しています。
若手を大胆に起用する栗山英樹監督ということもあって十分にチャンスはあり、場合によっては三塁を守ることも予想されますが、いずれにせよ出番が増えるのは間違いなく、そこで結果を残して行けば、渡邉選手の評価が「期待の若手」から「欠かせない主力選手」へと変貌するかもしれません。