オリックスバファローズ 独特な打撃フォームの天才 中島裕之は守備が玉にキズ?

兵庫・伊丹北高校時代は1年時からレギュラーとなり、3年時には投手も務めるものの、激戦区兵庫大会を勝ち抜くことは出来ず、甲子園出場はなりませんでした。
2000年にドラフト5位でライオンズに入団、すぐに未経験である遊撃手にコンバートされ、2004年にはFA移籍した松井稼頭央選手(現・東北楽天)の後釜に抜擢され全試合に出場、2012年までに最高出塁率や最多安打など数々のタイトルを獲得し、日本代表として五輪やWBCにも出場しました。
2012年に海外FA権を行使しオークランド・アスレチックスへ移籍しましたが、2年間メジャーリーグに昇格することは出来ず、2014年オフにバファローズで日本球界に復帰することとなりました。
1.ゴールデングラブ賞常連も・・・
中島選手はライオンズ時代に守備の名手に贈られるゴールデングラブ賞を3度獲得していますが、レギュラーに定着した2004年からFA移籍する2012年まで毎年2桁失策を記録しており、その間リーグ最多失策を5度記録しています。
ショートは守備機会が多いため、その分失策も多くなり、守備率で見るとリーグ最高を記録している年もあり、決して下手ではないことがわかります。
しかし、守備でどれだけ失点を防いだかを示すUZRという指数は非常に悪い数字を記録しており、ショートして守備範囲が広くないことを証明してしまっています。
この上手いと言えない守備が、中島選手のメジャー昇格を阻む足枷となってしまったのではないでしょうか。
2.独特の最上段の構えの由来は?
中島選手と言えばバットを高く掲げる独特のバッティングフォームが印象的で、2004年にライオンズ二軍監督を務めた石井浩郎氏の現役時代のフォームに似ていたことから、当時は「石井直伝のフォーム」などと一部で言われていました。
実際には、高校時代にバットが出やすい肘の位置を色々と試しているうちにあのフォームへと行き着いたそうです。
左肩越しに投手を見るのは、中島選手が相手投手の呼吸に合わせて間合いと取るため、自分の呼吸を逆に相手に見られないように意図的に口元を隠しているのです。
3.長嶋語が理解出来る?
打撃フォームだけでなく、右翼方向へのバッティングの上手さも特徴と言えます。
これは高校時代、グラウンドの左翼方向にテニスコートやプールがあったため監督から「危ないから右に打て」と言われて取り組んだ結果のようです。
その技術が生き、右手の押し込む力を加減することで飛距離までも調節出来るようになったと語っており、それ聞いた宮本慎也氏(元ヤクルト)は「自分には無理。やっぱり中島は天才だ」と言葉を失ったそうです。
さらに、後輩野手からは「返答が擬音ばかりでわかりにくい」や「何を言っているか理解出来ない」と言われることがあり、あの長嶋茂雄氏(元読売)から打撃指導を受けた際、他の選手が首を傾げる中、中島選手だけは「めっちゃ、わかりやすかった」と語り、天才は天才を知るということが証明されました(?)。
~険しいレギュラー争い~
大型補強をしたバファローズにあっては中島選手といえどもレギュラーが確約されているわけではありません。
キャンプでは評論家諸氏からかなり厳しい意見が聞かれ、さらにオープン戦でも思うような結果が出ていません。
シーズンが始まれば、この2年間で大きく落とした評判を挽回し、他球団から「中島を獲っておけば良かった」と思われる活躍を見せてくれると信じています。