楽天イーグルス 日本一奪回へ!優勝のカギを握るのは、嶋基宏の〝人柄〟

1984年12月13日生
179㎝ 82㎏ 右投げ 右打ち
岐阜県出身
中京大中京高、國學院大學を経て2006年大学・社会人ドラフト3巡目で楽天に入団。
ベストナインを2回、ゴールデングラブ賞を2回受賞するなど、球界を代表するキャッチャーです。また、日本プロ野球選手会会長でもあります。
1.【2013年の初優勝】嶋のリードに隠された〝準備野球〟という考え
創設9年目にして初の優勝を決めた2013年。
エース・田中将大投手の活躍は、大きな原動力となりました。しかし、それを支え続けていた嶋選手も忘れてはいけません。
楽天へ入団当初、野村克也監督から「ノムラの考え」たるものをたたき込まれておりました。それは世間一般で噂されている〝ID野球〟ではなく、〝準備野球〟というものです。
あらゆる状況に備えてしっかり準備をする。これは古田敦也元選手や矢野耀大元選手を育てた際と同じ方法であり、この考えをものにした嶋選手だからこそ、若手が多い投手陣をまとめ、勝利に導くリードが生まれたのでしょう。
2.選手会会長、そして侍ジャパンのキャプテンへ
チームとして、なくてはならない存在となった嶋選手。キャッチャーは扇の要であり、若い投手陣をリードしていくだけではなく、守備全体も引っ張っております。
そんな嶋選手が、2012年、第8代日本プロ野球選手会会長に就任しました。また、2014年に行われました「2014 SUZUKI 日米野球」では、メンバーに選ばれただけではなく、キャプテンとしてチームをまとめました。
2015年は楽天の新キャプテンになりましたが、チームとしてだけではなく、球界にとっても欠かせない存在になっているに違いありません。
3.名言から垣間見ることができる人柄
『見せましょう 野球の底力を』
この言葉は、嶋選手が2011年4月2日に東日本大震災の復興支援のために行われた慈善試合の前にスピーチした際の言葉です。
2011年の流行語大賞の候補としてノミネートもされており、野球ファン以外の人も一度は耳にしたことがあるはずです。このスピーチは当初、日本野球機構から内容を受け取っており、それを読むというものだったのですが、内容に満足できなかった嶋選手が、自分の言葉に変え、スピーチを行いました。
「底力」という言葉を選び、被災地の方々をはじめ多くの国民にメッセージを届けたところも、嶋選手ならではの魅力であり、チーム内外問わず、他の選手らが頼ろうとする要因でもあります。
~もう一度優勝、そして日本一へ~
昨シーズン取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留することを明言した嶋選手。
「8年間、いろんな方にお世話になった恩を返せていない。昨日(ソフトバンクが)日本一になったシーンを見て、今のチームメート、ファンの皆さんと、もう1回、優勝を味わいたいとあらためて思いました」と理由を話しております。
能力値だけでなく、彼の考え方や人柄こそが、若い選手が多い楽天をもう一度優勝へ導くカギとなるのかも知れません。