横浜ベイスターズ 谷繁イズムを継承する高城俊人は強肩を武器に次世代の侍へ

小学校6年時に12球団Jr.トーナメントに出場、中学校3年時には日本代表の4番捕手として世界大会の優勝を経験するなど、早くからその素質は注目されていました。
九州国際大付属高校に進学後は、1年時の夏と3年時の春夏と計3度甲子園に出場し、3年春にはチームの準優勝に攻守両面で大きく貢献し、プロの注目を集めることとなります。
プロ入り後も、高卒ながら1年目からスタメンマスクをかぶるなど、打撃面での苦労はあるものの次世代の主力として着実に実績を積んでいます。
監督ベタ惚れの強肩
その鉄砲肩は、高卒でありながら入団当初から球界No.1と目され、DeNA 中畑監督が「あんな強肩見たことがない」とベタ惚れするほどでした。
高城選手は遠投115mというのもさることながら、捕手にとって大事な送球の二塁到達タイムが1.81秒という驚異的な数字を記録しているのです。
プロの場合2秒を切ると早いと言われ、あの古田敦也氏(元・ヤクルト)でさえ1.9秒ほどであったことを考えると、高城選手がいかに早いかが分かります。
このことから高城選手がマスクをかぶっているだけで、塁上にいる相手ランナーに大きなプレッシャーを与えられることになるのです。
名捕手の系譜
今や球界を代表する捕手なった谷繁選手(現中日兼任監督)と相川選手(現読売)は元はベイスターズの選手であったのです。
球界を代表する捕手を立て続けに二人も輩出しているベイスターズには、名捕手が育つ土壌があると言えます。
高城選手は1年目のオフに谷繁選手に弟子入りを志願し、自主トレを共に行い、短期間ながらも谷繁イズムを叩き込まれました。
相川選手の退団後、途切れていた名捕手の系譜が、谷繁イズムを継承した高城選手によって再び繋がろうしています。
次世代の侍候補
高城選手は、小学生の頃にはプロの目の前でプレーし、中学生になると世界大会で優勝に貢献、さらには甲子園にも春夏連続出場し準優勝をするなど、常に大舞台と縁がありました。
そして2014年11月に開催された第1回IBAF21Uワールドカップで21歳以下の侍ジャパンに選出され、チームの準優勝に貢献しました。
ジュニア時代からプロに至るまで、国際大会を含めた、大舞台をこれだけ経験している選手も珍しく、今後の高城選手にとって大きなプラスになることは間違いありません。
~暗黒時代に差す『光』~
現状は黒羽根選手が正捕手争いで一歩リードといった感じであるが、当面は嶺井選手を含めた3人の争いが続きます。
自慢の強肩と大舞台の経験、そして直に叩き込まれた谷繁イズムを武器に高城選手がこの争いを制した時、ベイスターズの暗黒時代が終焉し、新たな時代の幕が開くこととなるでしょう。